【報告】第7回「モノを捨てること/拾うこと」

【報告】第7回波止場てつがくカフェ「モノを捨てること/拾うこと」


台風の合間、奇跡的に晴れた8月21日(日)。今回は渋谷周辺で野宿にて生活する方々のために行われた「渋谷夏まつり」の会場である宮下公園にブース出展して開催。屋外で、しかもお祭りの会場というイレギュラー開催であったわけですが、とにかくやり切りました。

他の店舗とともに11時には準備開始。

といってもウチはブルーシートを広げホワイトボード(ベニヤにホワイトシート貼付け)を設置するだけ。簡単なお菓子と飲み物は出すけど、下準備は特になし。食べ物を提供するお店は大変だなぁ・・・なんて余裕をカマシてたら、場所をめぐってあっちかな、いや、やっぱりりこっちと、せっかく荷物を広げたのに公園内を引っ越ししてまわる羽目にw

ちなみに当日の出店者はこんな感じ。



 果たして木陰に場所を確保することには成功したものの、なんとブースはカラオケ・スペースの向かいに備えることに・・・彷徨った挙句の最適地がここなのだし、もうやるしかないと植え込みの木にスズランテープで自家製ベニヤ・ホワイトボードをくくりつける。エイエイオー。

夏まつり開始を告げる乾杯は、少し遅れて12時15分に。

今回はいつもより時間も短いので、ウチも早速開始しようと思ったのですが・・・皆さん食べ物やら飲み物を探しに行った模様で、誰もいない(笑)

ということでスタッフが会場内を開催のアナウンスをして回ることに。

なんとなく会場がも落ち着いてきた頃に、人もチラホラと集まってきたのでやっとこさ対話を開始することにしました。

今回のテーマは「モノを捨てること/拾うこと」。屋内と違って声を聞き取りづらいと考えて、手持ちのトランジスター・メガホンを使って話してもらうことに。

  • モノを捨てる・拾う基準は個人によって異なるし、時代によっても異なる。
  • モノを持ちすぎないことが大事、器にあったほどほどの量がある→沢山背負うと疲れる。
  • 一昔前は拾うことはカッコ悪いという価値観が支配的であったが、現在は、捨てることはカッコイイという価値観の時代。どちらも「買わせよう」という力が暗に作用している。
  • 他人のモノを捨てることに関わる仕事をしている。捨てることすらお金がかかるのがくやしい。昔は糞尿を回収することはよい収入になったと聞く。
  • 現代において拾うことが占める場所はなく、ほぼ全てが捨てるという営みに依っているのではないか。
  • 捨てることがとても多いと感じるが、拾うことは少ない。ゴミの集積所にカギをかけたり、空き缶の回収を禁止する条例が作られるなど、拾うことを制限する流れが作られている。


皆さん、かなり活発に考えを述べてくれたのですが、やはり場所はお祭り会場。マイクを使ってはいるものの、なかなか聞き取りづらかったり、話しに集中しにくかったり・・・

会場の喧騒に加え、さらに大変だったのは席の誘導&飲み物の給仕。ファシリテーターもグラフィッカーも、それぞれの役割と同時並行でこなすことに。かなり忙しかった・・・

ちなみに今回の目玉は、特性甘酒サイダー。ブドウ糖がしっかりとれて、熱中症対作にバツグン!

そんなこんなで進んだてつがくカフェ。問いを設けるために出されたキーワードは以下。



  • 再利用
  • 再資源
  • 買う
  • 作る
  • モノ
  • 人を捨てること
  • 人材としてのモノ
  • 孤独


  • さて問いを立てようという段階で、ホワイトボード取替えのため一時休憩。と思ったら、遂にカラオケがはじまりまり、松山千春や北島三郎、吉幾三などがかかっていたような…

    いよいよ話は聞き取りづらく、というよりも聞こえない状態に、、、

    ホワイトボードを交換して再開。しかし見てみると、参加者もかなり入れ替わった模様・・・

    問いを立てる作業はやはりなかなか難航。

    人は何を捨てるのか(捨てる「モノ」とは何か)、なぜ捨てるのか、なぜ捨てることは簡単で拾うことは難しいのか、などという問いが提出される

    また、捨てるということは、そのものを手に入れた時の思いなども含めて、考え方を丸ごと捨てる、ということだと意見も。ゆえに新しいモノを拾うときには、よく考えないといけない―。

    結局、問いを立てる時間は充分にとることができないまま、プログラムは盆踊りに。

    少し延長しましたが、盆踊りは夏まつりの目玉プログラムでもあると考え、波止場~での対話もほどなく終了といたしました。

    今回のお祭り会場での開催。人の話をじっくり聴くための環境づくりや設備の問題、会の段取りなど、不十分であった点が沢山ありました。

    人の参加も入れ替わり立替わりなところがあり、対話を深めることがなかなかに難しかったと感じております。反省。

    一方、野宿での生活を送る方からも、捨てること、拾うことについての考えを聞くことができました。こういった機会は、普段の商業店舗での開催ではなかなか持つことができません。意義深い機会であったと感じております。

    異なる立場・境遇を生きる私達は、如何なる在り方であれば対等かつ自由に対話をすることができるのか。当会の対話の場作りをどのように行っていくのかということを含め、今後も考えて参りたいと思います。

    ■第7回波止場てつがくカフェ「モノを捨てること/拾うこと」
    ■日時:2016年8月21日(日)12時~
    ■場所:宮下公園(渋谷区神宮前6-20-10)
    ※渋谷夏まつり会場にブース出展にて開催








    ※「本レポートは対話の場の主催者として掲載するものですが、報告者の個人的見解を前提としています。種々の制約によりラフな記録と記憶をたよりに作成されているため、現になされた対話の事実と食い違うところがあるかもしれません。何卒ご承知おき頂きたく、お願い申し上げます。