【報告】<政治>について考え...てみる

【報告】<政治>について考え...てみる



森友・加計疑惑の追及から臨時国会の開会要求。開会と同時の冒頭解散。

更には希望の党結党と民主党の分裂と、日本の政治は、この1ヶ月ほど目まぐるしい変化の中にありました。

あまりに急激な動きに、なんだか言葉が追いつかない。

政治の問題であるとはいえ、「てつがくカフェ」を自認する私たちは、何事か対話の場を開いていく必要があるのではないか――。

普段にも増して進行の体制を整えることができず、充分な時間の確保もできない対話となりましたが、お陰さまで、どの回も数人の方の参加を得て開催することができました。

また、当初懸念していた、「政治」という具体の問題を「てつがく」の手触りで扱うという困難についても、的を絞っては空を仰ぐような。

行きつ・戻りつ、相手の話しをじっくり聞きながら、かつ、その言葉そのものの文法を掘り起こすような感触を覚える対話であったと感じております。

ごくごく簡単な振り返りとなりますが、下にその模様をご紹介いたします。

※いずれの回も冒頭に、参加された方より政治の話題で今気になる話題、関心のあるワードなどをを付箋に書いて説明してもらうということを行いました。

 

■第1回 10月6日(金)
保守?リベラル?●●主義って意味あるの?


「主義」というものには、人をまとめあげる機能と排除する機能のふたつがあることに着目。

「主義」が立ち上がるとともに排除が生まれ、排除された者が自らのアイデンティティーを確立することにより「主義」を生み出すに到るという連環に話しが及んだ。



■第2回 10月12日(木)
憲法・法律 ルールって何なのか?


rule(英)という語には、

  1. きまり
  2. 支配する

という、二つの意味がある事を確認しつつ、「ルール」というものについて、「生きていく多面最低限のルール」という理解が広くされていることから、“最低限”のルールの反対、“最大限のルール”について考えをめぐらせ、「きまり」と「理想」「目標」との関係に話しが及ぶも、時間切れ。


■第3回 10月18日(水)
主権?民主主義?「みんなが主人公」って、ほんとはどういうこと?


「みんなが主人公」という言葉が機能する2つの別々の世界観と、その「ズレ」について話が及ぶ。

  1. 「みんなが主人公」という呼びかけがある一方で、実際は選挙の候補などは、あたかも物語の主人公のように立ち現れる。一方、呼びかけられる側は、この物語の「取り巻き」として位置づけられるに留まる。
  2. 文字通り、「みんなが主人公」という世界。1の意味での「主人公」とは、様相が異なる。決定的な「ズレ」がある

以上の話を前提に、次のような問と答が提示された。


 問 政治においてどうして主人公が必要なのか?

 答 「主人公」がいないと「選挙」が成立たないから。


この問いに用いられている「主人公」とは、果たして1の意味におけるものなのか、それとも2の意味でのものか。

残念ながら、充分な吟味を行う前に時間切れとなってしまった。


 

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会場の都合により、残念ながら時間延長は一切できません。

いずれの回も時間が足りず、対話は途中で突然に打ち切される格好となってしまいました。

充分な進行を行うことができず、参加された皆様には大変申し訳なく感じております。

しかし兎に角も、不透明かつ、具体的な「政治判断」が叫ばれる中で、皆様と対話の場をご一緒することができたことは、大変嬉しい体験でござました。

ありがとうございました。

以上、簡単ではございますが、3週連続にてお届けした緊急企画「<政治>について考え...てみる」のご報告とさせて頂きます。


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【緊急企画】<政治>について考え...てみる

■開催日程

  • 第1回 10月6日(金)  保守?リベラル? ●●主義って意味あるの?
  • 第2回 10月12日(木) 憲法・法律 ルールって何なのか?
  • 第3回 10月18日(水) 主権 ?民主主義? 「みんなが主人公」って、ほんとはどういうこと?

■時間  いずれも19時~21時

■場所 東京ボランティア・市民活動センター(東京都新宿区神楽河岸1-1 セントラルプラザ10階)

■参加費 無料(カンパ歓迎)


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※「本レポートは対話の場の主催者として掲載するものですが、報告者の個人的見解を前提としています。種々の制約によりラフな記録と記憶をたよりに作成されているため、現になされた対話の事実と食い違うところがあるかもしれません。何卒ご承知おき頂きたく、お願い申し上げます。